PEDを用いたイネの多型解析例

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ここでは、コシヒカリの多型の検出を例に、Linux(Ubuntu)のインストール、PEDのセットアップ、ゲノムブラウザでの結果の表示の方法を紹介します。
  • 図をクリックすると拡大されます。
  • SNP以外に、挿入・欠失変異も正確に検出できる特徴があります。
  • 変異部分を増幅するプライマー対の配列も得られます。
  • 図をクリックすると説明にジャンプします。
  • コシヒカリSBLが持つ、イネ縞葉枯れ病抵抗性遺伝子領域(Stvb-i)にある欠失変異の一覧です。
  • コシヒカリSBL(赤)でのみ、対象領域に多型が検出されています。
  • 変異部分を増幅するプライマー対の配列も得られます。

Ubuntuのインストール

PEDのセットアップと解析例

Dockerでの解析

IVGブラウザによる結果の確認

コシヒカリ類縁品種の多型の比較

コシヒカリの遺伝的背景を持つ品種のNGS配列を比較してみました。
配列データはNCBI の SRA DRP004128より取得可能です。
$ cd ped
$ perl download.pl accession=DRR099981
のようにして、順に配列データをダウンロードします。
ダウンロード後、ディレクトリ名を
$ mv DRR099981 koshihikari
のように品種名に変えておくとわかりやすくなります。
$ perl ped.pl target=koshihikari,ref=IRGSP1.0
のようにして品種ごとに順に解析します。
次に、各品種の多型を整理した表を作ります。
$ perl compare.pl target=genkitsukushi:hinohikari:hitomebore:hoshinoyume:koshihikari:koshihikari_sbl1:nipponbare:tenkomori:tentakaku > snp.txt
$ perl compare.pl target=genkitsukushi:hinohikari:hitomebore:hoshinoyume:koshihikari:koshihikari_sbl1:nipponbare:tenkomori:tentakaku,type=sv > sv.txt
タブ区切りテキストファイルなので、エクセルで開くことができます。
構造変異のファイル(sv.txt)をエクセルにとりこんで、欠失に絞り込んで表示してみました。
1塩基、2塩基の欠失は体細胞変異の場合が多いので、19塩基までの欠失と100,000塩基以上の欠失、およびヘテロの欠失は除外しました。
クリックすると拡大図が表示されます。
コシヒカリSBL1はコシヒカリに縞葉枯れ病耐性の遺伝子を導入された品種ですが、コシヒカリSBL1の変異に絞り込んで(赤)表示させると、
第11染色体のStvb-i遺伝子(オレンジのあたり)の領域にコシヒカリSBL1特異的な欠失変異が存在することがわかります。
Stvb-i遺伝子については、
Hayano-Saito Y and Hayashi K (2020) Stvb-i, a Rice Gene Conferring Durable Resistance to Rice stripe virus, Protects Plant Growth From Heat Stress. Front. Plant Sci. 11:519.
をご覧ください。

PEDに関する資料

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